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遠距離恋愛

  社会人になってからというもの、まったく小説の世界から離れていたわたしが、再び書き出すようになったのは今も遠い街でくらす、当時付き合っていた彼女の存在がわたしを再び創作の道へと呼び戻したのだ。

 彼女との出会いは省かせてもらうが、わたしは遠距離恋愛というものを初めて経験させてもらった。
 会いたくても会えない切なさ。わたし北海道、彼女は広島だったので、そうそう会えるわけでもない。
 それでもほぼ毎月一度は北海道か広島のどちらかで会っていた。

 朝、おはようの電話と夜おやすみの電話。
 本当に電話とメールだけが、わたしと彼女を繋げていたラインだった。
 
 彼女は北海道が大好きな人。過去に札幌でも暮していたようで、彼女が北海道に来たとき、案内役のわたしよりも札幌の街に詳しかったのが驚きだった。

 彼女の笑顔が好きで、彼女の優しさに癒されて、このまま時間が止まればいいのに、と本気で願った。
 だって、この次会うのは一ヶ月後……、お互い忙しい仕事をしているので二ヵ月後になるかもしれない。
 だから彼女と一緒にいる間は、ずっと手を繋いでいた。体温を感じていたかった。
 彼女も寂しがりやだったけど、わたしもそうだったから──。

 あっという間に楽しい時間は終わり、彼女が広島へ帰る時がやってくる。
 新千歳空港までの車中、お互い寂しい雰囲気にならないように、たくさんバカ話をしたのを、今でも覚えている。

 ──ANA 791便
 
 彼女を広島へと無事に送り届けてくれる大きな翼。

 ──またね

 本当に彼女の手を離さなきゃならない時間がやってきた。
 笑顔で手を振りながら、ゲートの奥へと消えていく彼女。
 わたしも負けじと笑顔で手を振る。
 寂しいけど……また一ヶ月後には会えるから。
 そう心のなかで繰り返しながら。


 彼女を乗せた飛行機が夕暮れの空へと旅立っていく。
 新千歳空港の展望台から白い機体を見つめていたわたし。

 ──次はキミがわたしを見送る番だからね

 夕陽に目を細めながら、わたしはそんなことを思い、ひとり笑んでいた。



 あっ……創作の話からは外れてしまいましたが、このころから本格的に恋愛小説を書き始めたんです。もちろん、読書の時間も増え一日2冊。読んでは頭のなかに蓄積された言葉を原稿用紙に吐き出す。その繰り返し。
 
 この頃書いていた作品は当時、ネット上にアップしていましたが、今はもう読むことはできません。
 彼女も読んでいて、「このヒロインって、わたし? こんなに大人しくないよ」と指摘されましたが、わたしにはそう映っていたのです。

 あの当時は、今以上に作品を書いていたような気がする。
 きっと、自分が置かれていた環境がそうさせていたのかもしれません。

 当時のことを綴った作品の何作かは手元にありますが、遠距離恋愛の模様を綴った作品は手元にありません。だからもう、読み返すこともできないんです。

 だけどね、記憶はいつまでもわたしの脳内ハードディスクに残っているから。
 記憶はいつまでも色褪せることなく、わたしのなかで生き続けているのです。


 元気で暮していますか?
 わたしは、元気です。



 森下朱月
| 回想 | 20:10 | -|

経験値

  横溝正史の作品を好んで読んでいたわたしが、初めて小説を書いたのは中学一年生くらいだったと思う。
 大学ノートに初めて書いたのは、とても推理小説とはいえない、日記のようなものだったことは、今でも覚えている。
 書いては消し、書いては消し──。
 そんなことを続けながら、わたしは己の満足いくまで小説を書き続けた。
 結果、トリックも起承転結も滅茶苦茶なものになってしまったが、きっちりと最後まで完成させたのだ。

 短編であれ長編であれ、書き始めたらその作品を必ず終わらせる。
 そうすることで、書く体力がついてくる。
 この頃の体験が今でも役に立っている思う。ただ、推理小説作家ではないけれど(笑)

 推理小説を読みふけっていた小中学時代。
 そして恋愛小説にはまり出した高校時代。
 ただ通っていた高校が硬派な学校だったので、友達にも恋愛小説を読んだり書いたりしていることは言わなかった。
 
 高校の頃は、気が向いたら短編の恋愛小説ばかりを書いていた。
 当時付き合っていた彼女との日常のことや、未来図を想像しながら。

 だが高校を卒業してから、わたしは小説から離れてしまった。
 なれない仕事の忙しさや、車を持ったことで外出する時間が多くなったのがその理由だ。
 ただその間、貴重な体験をいっぱいさせてもらった。
 泣いたり笑ったり怒ったり……。
 その経験が今の森下朱月という物書きを形成している核となっているのかもしれない。

 
 
 この続きはまた明日☆
 
 
   
| 回想 | 20:09 | -|

作家へのはじまり

 
 初めて小説を買って読んだのは、たしか小学4年生くらいだったと思う。
 当時、再放送の2時間ドラマかなにかで放送されていた、横溝正史の獄門島に衝撃を受け、翌日にはチャリンコをこいで街の小さな本屋さんに向かっていた。
 
 いつもは少年ジャンプを買ったり、マンガの単行本を買うだけに通っていた本屋さん。
 マンガゾーンだけはやけに詳しかったが、小説がどこに置いてあるのかなんて、わからなかった。
 それだけではなく、作者の名前と作品名も忘れてしまったのだ。
 ていうか、前日にしっかりメモしていたのに、そのメモを忘れてきたのだ。

 しょうがなく、レジのおねーさんに昨日みたドラマの内容を説明すると、親切にレジまで持ってきてくれた。そして──、

 ──チャリーン。

 正確な値段は覚えてないが、レジに表示された金額をみて少し戸惑ったのを覚えている。
 当時、わたしは毎月千円のお小遣いをもらっていた。そのうちの約半分の金額を一冊の小説に使うのだ。
 その千円のなかにはおやつ代も含まれていた。マンガを買う代金も含まれていた。
 レジの横には発売されたばかりの週刊少年ジャンプが山積みされていた。

 ──ごくりっ。

 マンガを読みたいという気持ちに負けそうになりながらも、結局わたしは小説を選んだのだ。
 自分を勇者だと思った。

 震えた手で(当時は夏でしたが)おねーさんに千円札を渡し、代わりにおつりと紙袋に入れてもらった小説を手にした。

 ──ありがとう。

 おねーさんの優しい声を背中で受けとめながら、わたしは足早に本屋さんを出た。
 そしてチャリンコにまたがる。

 ──早く帰ろう。

 と、そのとき偶然にも友達と遭遇し、これからみんなで野球をしようと誘われた。
 あー野球もしたい。だけど今は早く帰って小説も読みたい。
 だから丁重にお断りした。友達はとても残念そうにしていたけど。

 そしてわたしは、力強くペダルをこぎはじめた。
 買ったばかりの小説を読むために──。




 今にして思えば、このエピソードが森下朱月という物書きの始まりだったのかもしれません。
 それから横溝にはまりだしたわたしは、数年後、読みたいから書きたいという心境に変わったのですから。

 
 回想の続きはまた明日にでも。
 おやすみなさい☆


 森下朱月

| 回想 | 20:03 | -|

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